口腔がん検診

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口腔がん検診について

口腔がんの現状

日本は世界の先進国中で唯一、口腔がんの死亡数が増加している国です。日本の口腔がんの死亡率は35.5%と、米国(19.8%)の約1.7倍にも上ります。口腔がんは、治療により舌や顎、頬の一部を切除することが必要となり、口の機能に大きな障害が生じることがあります。

年に一回の口腔がん検診で早期発見・治療が可能に

がんが発生するまでには通常5年から10年の期間がかかるため、年に1回の口腔がん検診を受診することで、早期発見や前癌状態(ぜんがんじょうたい)での治療が可能になります。

口腔がん検診の流れ

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問診票の記入(約5分)

口腔がんになるリスクや生活習慣に関する情報を入力します。

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視診・触診・写真撮影(約5分)

視診で口内の異常を確認し、触診でしこりや異常な盛り上がりをチェックします。異常があれば写真撮影し、必要に応じて口腔がん専門医に詳細な診断を依頼します。

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報告書を基にしたカウンセリング(5~10分程度)

検診結果をまとめ、カウンセリングをおこない、必要に応じて治療や改善をご提案します。

口腔がん検診の結果

問題なし

今後も年に数回の検診を受けていただき、健康な口腔状態を維持しましょう。

異常あり

歯科医師の指示に従い、治療を開始し、必要に応じて大学病院などをご紹介させていただく場合もあります。

口腔がんとは?

口腔がんとは?

口腔がんは、口内の扁平上皮から発生するがんの総称で、主に舌がん、歯肉がん、頬粘膜がん、口腔底がん、硬口蓋がん、口唇がんなどが含まれます。日本では、全がんの約1%を占め、特に舌がんが最も一般的です。

口腔がんの原因

口腔がんの原因

口腔がんの主要なリスク要因には、喫煙、飲酒、口腔衛生の悪さ、炎症などがあります。喫煙者は非喫煙者に比べて口腔がんの罹患リスクが5.2倍、飲酒者は非飲酒者に比べて3.8倍高いと報告されています。特に喫煙と飲酒の組み合わせはリスクをさらに高め、口腔内の細菌汚染もがん発生の一因となり得ます。口腔がんの予防と早期発見は、喫煙や飲酒の制限、口腔衛生の向上、定期的な自己検査と専門家による診察が鍵となります。異常を感じたら、耳鼻咽喉科や口腔外科への早期受診が大切です。

口腔がんの症状

口腔がんの症状には、粘膜の赤みや白斑、しこり、無痛性のしこり(リンパ節転移の可能性)、口の開けにくさ、食事や会話の障害があります。初期には痛みが少ないため、見過ごされやすく、定期的に口腔がん検診を受けていただくことが大切です。

口腔白板症を見逃さない

口腔白板症は、将来がん化する可能性のある白斑状の病変です。これらの病変から口腔がんが発生することもあるため、早期発見が重要です。

口腔がんの治療法

口腔がんの治療法

口腔がんの治療には、手術による腫瘍の摘出が一般的ですが、進行度に応じて放射線治療や化学療法の併用が考慮されます。治療後は、食べる、飲み込む、話すなどの機能障害が起こる可能性があり、リハビリテーションが必要となることもあります。

原発巣切除術

口腔がんの主な治療法で、がん細胞と、その周辺の正常組織を含むがん巣を手術で取り除きます。骨までがんが広がっている場合は、骨組織の切除もおこなうことがあります。手術範囲はがんの場所や進行度により異なります。

舌の切除

部分切除から全摘出まで、がんの進行度に応じた範囲でおこないます。

下顎の切除

辺縁切除から亜全摘まで、がんの広がりに合わせて切除範囲を決定します。

合併切除

口唇、口腔底、下歯肉、頬粘膜、皮膚など、がんの位置に応じて追加の切除がおこなわれることもあります。

頸部郭清術

リンパ節への転移がある場合、リンパ節を含む周囲の組織を切除します。転移リスクが高い場合は予防的におこなうこともあります。

再建手術

切除によって欠損した部位を補修する手術。自身の組織移植や人工材料による再建が含まれます。

放射線治療

手術でがんを完全に取り除けなかった場合やリンパ節転移がある場合におこなわれる治療。化学療法と併用することもあります。口腔乾燥、味覚障害、口腔粘膜炎などの早期副作用、開口障害や骨壊死などの副作用が生じる可能性があります。

化学療法

進行した口腔がんに対して、手術後や手術が困難な場合に実施。再発予防や病状の進行を遅らせることを目的とします。免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬など、使用する薬剤によってさまざまな副作用が生じる可能性があります。


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