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ドクターズインタビュー
歯科医師になろうと決めた理由
一冊の本との出会いが、運命を変えた
「学費を出すのは親の役目で、進むべき道は自分で決めなさい」という父の教育方針のもと育ったのですが、15歳の高校生時代から17、18歳になるまで、将来について真剣に考えたことがありませんでした。浪人時代、何か良いヒントがないかと本屋を彷徨していた時、「歯科医師になるには」というシリーズの本を手に取りました。その中で、ある大学の口腔外科で教授をされていた先生の手術室での写真を見て、「この人は歯科医師なのか?医師なのか?」と興味を持ちました。その本を読むうちに、口腔外科とは何か、その魅力に引き込まれ口腔外科の道に進みたいと考えるようになりました。その後、予備校の先生と相談し、歯科医師としての道を歩むことを決めたのです。
口腔外科に興味を持った具体的な理由は何ですか?
オペ室での写真が単純に「かっこよく見えたこと」が最初のきっかけでした。20歳前後の時には本当にそれだけでした。また、健康診断のために市民病院を訪れた時に、口腔外科の横を通りがかり、病院にあることを初めて知ると、ますます興味を深めていきました。
今振り返って、口腔外科医としての道を選んだことに対してどのようなお気持ちをお持ちですか?
今となっては、ただ「かっこいい」と思っていた時期とは違い、患者様の痛みや腫れに対して、「最善の処置は何か」を自問自答する日々を送っています。口腔外科の仕事は、時に困難を伴いますが、目の前の患者様に対して最善の治療法をご提供することに集中しています。「かっこよさ」を追求する余裕はありませんが、日々の臨床を通じて患者様の苦痛を和らげる努力は怠っていません。
口腔外科医としての道のり
先生は歯科を卒業されてから、医科の大学院に進学されたようですが、取得した学位は、医学博士なのでしょうか?
はい、その通りです。学位に関しては、たとえば歯学部卒業後に歯学部の大学院で学び、歯学博士の学位を取得します。工学部や理学部も同様に、自分の専門分野の大学院で研究を進め、その分野の博士号を取得します。私は兵庫医科大学の歯科口腔外科に所属し、研修医を終えた後、口腔外科をさらに勉強するために、指導教官の方針に従い、研究活動にも取り組みました。その結果、研究を続けながら大学院で学び、学位を取得しました。
口腔外科の中で、特に専門としている分野はありますか?
大学病院などでは、組織や骨に強いチームなど、特化した分野に分かれていますが、私自身はそうした特定の分野に限定せず、顔の外傷や交通事故による損傷も含め、口腔外科の広い範囲の治療にあたってきました。
安全な治療のために
安全な治療に対する先生の取り組みについて、具体的な例を教えてください
安全な治療を提供するために、SPO2や血圧のモニタリングをおこないながら治療を実施する場合もあります。これは、病院での経験が大きく影響しており、特に全身的に健康状態が厳しい方や超高齢者の患者様が増えている現在、安全に治療をおこなうためには必要不可欠です。全身状態のモニタリングは、診療中常時おこなうわけではありませんが、必要に応じて血圧を測ったり、血糖値をチェックしたりしています。この取り組みにより、どのような患者様でも安心して治療を受けていただけるよう心がけています。
先生がクリニックで口腔外科をおこなう中で大切にされていることは何ですか?
安全性を担保することが最も大切だと考えています。ただ、口腔外科治療をおこなうと言いながらも全ての疾患に対応できるわけではありません。クリニックではマンパワーや設備の制限もあるため、治療が可能かどうかを慎重に判断しています。正確な診断が非常に重要であり、安全にクリニックで適切に処置できるかどうかを常に考えています。患者様に安全に治療を受けていただくためには、大切なことです。
安全な治療への配慮は、病院での経験が大きく影響していますか?
はい、私の歩んできた経歴を見て来院してくださる患者様や、全身的な状態が複雑な方や超高齢者の患者様もおられます。そのため、処置中に血圧を測るなど、患者様の安全を第一に考えた治療を心がけています。
目の前の患者様の口の中を見た瞬間に、疾患の判断ができることもありますか?
そうですね。悪性か良性かの判断が必要な場合、悪性を疑う所見があれば、大学病院への紹介を検討します。ただし、高齢で大学病院への移動が困難な患者様の場合は、こちらで責任を持って診察を続けます。その際は、患者様だけでなく、ご家族にもリスクをしっかりとご説明した上で、全身の状態を考慮した治療をおこないます。
今後の展望
先生の今後の展望について教えてください
口腔外科分野が好きか嫌いかで答えるならば、「好き」と答えます。口腔外科治療は容易ではありませんが、患者様にとって最善の治療をご提供できるように、研鑽を重ねていくことに大きな意義を感じています。
当院は西宮市の住宅地の中に位置しており、高齢化が進む中、若い層も増えておりその地域性を考慮した治療が求められます。地域の患者様のニーズに合わせて、少しでもお役に立てるような、より一層レベルアップした治療をご提供し続けること。それが私の目指すところです。口腔外科の分野で、地域社会に貢献できるよう努力していきたいと思います。
患者様との関わりへの思い
患者様との関わりにおいて特に大切にしていることは?
患者様からの相談を受ける際、不定愁訴や原因不明の痛みに対しても丁寧に症状をお聞きする姿勢でいることを大切にしています。患者様が安心して相談できる環境をご提供し、必要に応じて耳鼻科や神経内科など、他科へご紹介することもあります。特にご高齢の患者様の場合、どこが原因で痛いのか特定が難しい場合が多いため、口腔外科の観点から診断し、適切な治療やアドバイスをおこなっています。
ホームページをご覧の患者様にメッセージをお願いします
当院では、最新の技術を駆使し、長年にわたり培ってきた口腔外科の専門知識を用いて、地域の皆様が健康で快適な生活を送れるようサポートしています。
口腔外科という分野は、深刻な状態の患者様を通常の健康状態に戻すことが大切と考えています。口腔外科治療を通じて地域の皆様のお役に立てるように今後とも尽力してまいります。
歯科の中でも口腔外科には、とことん痛くなってから、または顔が著しく腫れてから来院される方が多いですが、大切なことは、そうなる前の予防であり、日常の健康管理が非常に大切です。健康診断の定期的な受診や、過度な飲食を避けるなどの予防策が大切なのです。
万一治療が必要になった場合は、全力を尽くしてサポートしますが、一番良いのは疾患にかからないこと、そしてそのための予防が大切です。
お口の中の症状でお悩みの方は、お気軽に広本歯科クリニックにご相談ください。