西宮市にある広本歯科クリニックは、患者様お一人おひとりに寄り添った丁寧な歯科医療を提供しております。当院では、単に歯を治療するだけでなく、患者様の全身の健康とQOL(生活の質)の向上を目指しています。
このブログでは、皆様のお口の健康に役立つ情報や当院の取り組みについてお伝えしていきます。日々の口腔ケアや歯科治療に関する疑問にお答えし、皆様の健やかな笑顔をサポートしてまいります。
今回は、「顎の関節が痛い場合」についてお話しいたします。
顎関節症(がくかんせつしょう)とは?
耳の前方にある顎関節は、私たちが口を開けたり閉じたりする際に重要な役割を果たしています。
顎関節症とは、この顎の関節(顎関節)や周囲の組織に問題が生じる状態のことを指し、近年では、日本人の約2人に1人が何らかの形で顎関節症を経験するとされています。
顎関節症の症状の程度は人によって様々で、軽度の場合は自然に改善することもありますが、日常生活に支障をきたす場合は医療機関での治療が必要となります。
顎関節症の主な症状
顎関節症では、次のような症状がみられます。
顎の痛みや違和感
口を開閉する際や食事中に顎に痛みを感じる。
開口障害
口を大きく開けられない(通常、3本の指が縦に入る程度開くのが健康な状態)。
関節音
顎を動かす際にカクカクやポキポキといった音がする。
筋肉の痛み
顎を動かす筋肉(咀嚼筋)に痛みやこわばりを感じる。
頭痛や耳鳴り
顎の問題が原因で頭痛や耳鳴りが生じることがある。
顔面の痛み
顎の痛みが顔全体に広がることがある。
これらの症状は、単独であらわれることもあれば、複数が同時に起こることもあります。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は多岐にわたりますが、主な要因として次のようなものが挙げられます。
歯ぎしりや食いしばり
無意識のうちに歯を強く噛みしめることで、顎関節に過度な負担がかかる。
不適切な咀嚼習慣
片側だけで食べ物を噛む習慣や、ガムを長時間噛み続けるなど。
姿勢の問題
頬杖をつく習慣や、不適切な姿勢が顎関節に悪影響を与える。
ストレス
精神的なストレスが原因で、無意識のうちに顎に力が入ることがある。
外傷
顎への直接的な衝撃や怪我。
咬合の問題
歯の噛み合わせが悪いことで、顎関節に負担がかかる。
顎関節症の分類
顎関節症は、その症状や原因によって以下のように分類されます。
Ⅰ型:咀嚼筋痛障害
顎を動かす筋肉の痛みや障害。
Ⅱ型:顎関節痛障害
顎関節自体の痛みを伴う障害。
Ⅲ型:顎関節円板障害
a. 復位性
口の開閉時に音がする。
b. 非復位性
口を開ける際に引っかかりを感じる。
Ⅳ型:変形性関節症
顎関節の骨の変形による痛みや運動障害。
顎関節症の診断と治療
顎関節症の診断は、主に、問診、視診、触診、画像診断などで行われます。
また、治療の方法は、症状の程度や原因によって異なりますが、主に次のようなアプローチがあります。
セルフケア指導
顎のストレッチやマッサージ方法を指導します。また、生活習慣の改善(歯ぎしり防止、姿勢の改善など)を行います。
スプリント療法
専用のマウスピースを装着し、顎関節への負担を軽減します。
薬物療法
鎮痛消炎薬などの処方を行います。
咬合調整
歯の噛み合わせを調整し、顎関節への負担を軽減します。
顎関節症の予防と日常生活での注意点
顎関節症を予防し、症状を軽減するためには、以下のような点に注意することが大切です。
正しい姿勢を保つ
頭を前に出す姿勢や、頬杖をつく習慣を避ける。
ストレス管理
リラックス法や運動などでストレスを軽減する。
バランスの良い食事
硬すぎる食べ物を避け、両側でバランス良く噛む。
睡眠環境の改善
適切な枕を使用し、良質な睡眠をとる。
定期的な歯科検診
咬合の問題を早期に発見し、対処する。
顎の痛みや違和感がある場合は、当院にご相談ください
顎関節症は、適切な対処を行えば改善が見込める症状です。しかし、放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。
当院では、適切な検査と診断により、患者様お一人おひとりの症状や生活環境に合わせた治療法をご提案しています。
顎に違和感や痛みを感じる方、「顎関節症かな?」という症状にお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。