西宮市にある広本歯科クリニックは、患者様お一人おひとりに寄り添った丁寧な歯科医療を提供しております。当院では、単に歯を治療するだけでなく、患者様の全身の健康とQOL（生活の質）の向上を目指しています。
このブログでは、皆様のお口の健康に役立つ情報や当院の取り組みについてお伝えしていきます。日々の口腔ケアや歯科治療に関する疑問にお答えし、皆様の健やかな笑顔をサポートしてまいります。
今回は、「インプラント後の口臭」についてお話しいたします。
インプラント後の口臭の主な原因は？
インプラント治療は、失った歯の機能を回復させる優れた治療法です。ただし、治療後の口内トラブルを防ぐためには、患者様と歯科クリニックによる適切なケアが非常に重要となります。特に、口臭の問題は、インプラント治療を受けた多くの患者様にとって、気になるポイントの1つとなっているのではないでしょうか。
実際に、インプラント治療後に口臭が気になっているという方は、以下の原因について確認してみてください。
磨き残し
インプラントと歯茎の間の溝は、通常の歯よりも深くなっていることがあります。この溝に食べかすや細菌が溜まりやすく、磨き残しの原因となります。
インプラント周囲炎
インプラント周囲の組織に炎症が起こる状態で、口臭の大きな原因となります。
プラークと歯石の蓄積
適切なケアを怠ると、インプラント周囲にプラーク（歯垢）や歯石が蓄積し、細菌の温床となります。
口臭の発生メカニズムについて
では、口臭の発生とは、どのようなしくみによるものでしょうか。以下で簡単にご説明します。
細菌の増殖
まず、磨き残しやプラークの蓄積により、口腔内の細菌が増殖します。
有害ガスの発生
これらの増殖した細菌が、硫化水素やメチルメルカプタンなどの有害ガスを産生します。
口臭の発生
細菌が出す有毒ガスが、お口の不快な臭いの原因となります。
インプラント周囲炎について
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の軟組織や硬組織に炎症が起こる状態です。インプラント周囲炎は、口臭だけでなく、以下のような問題も引き起こす可能性があります。
- 歯肉（歯茎）の腫れや出血
- 歯茎の退縮
- インプラントと歯茎の間の溝の深化
- 最悪の場合、インプラントの脱落
さらに、インプラント周囲炎は全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。炎症部位の細菌が血流に乗って全身を巡ることで、糖尿病や心臓病、動脈硬化、呼吸器疾患などのリスクが高まる可能性があります。
インプラント後の口臭予防法
インプラント後の口臭トラブルを予防するために、次の点に注意しましょう。
正しいブラッシング技術の習得
歯の表面だけでなく、歯と歯茎の間もしっかり磨きましょう。歯ブラシを45度の角度で当て、小刻みに動かすのが効果的です。
補助的清掃用具の使用
歯と歯の間の汚れを除去するために、デンタルフロスを使用しましょう。また、歯の間に隙間がある場合には、歯間ブラシが効果的です。
そのほか、奥歯や噛み合わせ部分の清掃には、ワンタフトブラシが適しています。
定期的な歯科検診とクリーニング
3～6ヶ月に1回程度の定期検診をおすすめします。
歯科クリニックでは、プロフェッショナルクリーニングを受けることで、自力では取り除けない歯石も除去できます。
適切な歯ブラシと歯磨き粉の選択
柔らかめの毛先の歯ブラシを選びましょう。なお、研磨剤の強い歯磨き粉は避け、インプラントに適したものを選びます。
口腔内の保湿
唾液には自浄作用があるため、十分な水分摂取を心がけましょう。必要に応じて、人工唾液や保湿ジェルの使用も検討してください。
バランスの取れた食生活
ビタミンCやビタミンEなど、抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取しましょう。また、過度の糖分や酸性食品の摂取は控えめにしましょう。
インプラント治療後、注意が必要なサインは？
次のような症状があらわれた場合は、早めに歯科クリニックに相談するようにしましょう。
- 口臭が急に強くなった
- 歯茎の腫れや出血がみられる
- インプラント周囲に違和感や痛みがある
- 噛み合わせに違和感がある
口臭が気になる方は、お気軽にご相談ください
口臭は単なる不快感だけでなく、インプラント周囲炎などの深刻な問題のサインである可能性もあります。気になる症状がある場合は、早めに歯科クリニックに相談することをおすすめします。
当院では、インプラント治療に対応しているほか、インプラント治療後のケアや口臭でお悩みの患者様に対して、適切なアドバイスと治療を提供しております。お口の健康に関する不安や疑問がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。
